社会教育実習の支援について

社会教育士と社会教育実習

「社会教育士」とは
国が定める社会教育主事養成課程(2020年4月施行)修了者に、「社会教育主事」資格に加えて、「社会教育士」の称号が与えられることとなりました。地域の教育・福祉・防災・環境・地場産業などの領域で、人々の学びの支援やネットワークづくりを通して人づくりや地域づくりに関わる役割を担います。

社会教育主事養成課程のねらい
社会教育主事養成課程が設置された大学等の社会教育主事養成校では、以下のようなねらいをもっています。
・課程運営を通じた大学の社会貢献・地域貢献
・アクティブラーニング・サービスラーニングによる主体的に社会で生きる力を育成
・社会に開かれた学校づくりを支える基本的知識・能力の獲得
・多様な領域(まちづくり・医療・福祉・環境・農業・アート・スポーツ・企業CSR等)で活かせるコーディネート力の育成

カリキュラムの内容-実習の必修化-
ファシリテーター・コーディネーターとして学習を支援したり、多様な主体をつなぎ協働をすすめたりする「実践的能力」を養成する「生涯学習支援論」と「社会教育経営論」や、「社会教育実習」が必修となっています。

社会教育実習の方法と実習先
実習方法として、施設や活動見学実習先が提供するプログラム への参加・体験 、実習先と大学が協働してプログラムを開発する プロ ジェクト型 などがあります。
実習先として、社会教育・生涯学習施設、地域学校協働活動、教育委員会事務局、首長部局、NPO・ボランティア団体、企業など幅広い分野での設定が考えられます。

社会教育実習の例
実習は社会教育士養成の核となるもので様々な方法、形態、内容で行うことができます。
・公民館や児童館で来館者対応や事業企画
・事業運営など一日の業務を5日間連続して体験
・青少年自然の家主催の小学生を対象とした6泊7日のキャンプ活動に参加
・NPOや企業と連携して毎月実施する異世代交流事業を企画・運営

実習の効果
【学生の声】理論と実践をつなげてとらえることができ、資格を活用する仕事の具体的なイメージがつかめた。いろいろな人と交流し活動することで自信がつき、コミュニケーション力が向上した。
【実習先の声】実習生を受け入れることによって、改めて業務の見直しができ、担当職員の学びになった。事業を大学生の新鮮な視点で力強く展開することができた。

パンフレット「社会教育士の養成と実習」

実習事例

多様な社会教育実習事例について、情報提供をしています。ここでは例をあげています。
ご関心のある方は、事務局までお問い合わせください。

1 教育委員会事務局

・自治体社会教育の強みと課題(立教大学・教育委員会事務局)
・社会教育主事の仕事の実際を学ぶ(東北福祉大学・宮城県気仙沼市公民館、岩手県北上市生涯学習センター、宮城県名取市生涯学習課、ほか)

2 教育委員会事務局以外の行政組織

・粟島しおかぜ地域共生プログラムの実践研究‐高齢者のお手伝いプログラムを軸とした観光・産品開発・首都圏連携活動の創出‐(大正大学・新潟県粟島浦村(総務課・観光協会・教育委員会等)
・豊島区の社会教育・生涯学習を学ぶ(立教大学・豊島区文化商工部学習・スポーツ課)
・キャンプリーダー/放課後児童クラブスタッフ(愛知教育大学・信州こども山賊キャンプ/泰阜村学童保育)

3 社会教育・生涯学習・福祉施設等

・大自然の中で地域との学びを結ぶ勇者たち‐北海道・黒松内ぶなの森自然学校でのスタッフとの出会いと経験から‐(大正大学・黒松内ぶなの森自然学校(北海道黒松内町)
・人と人をつなぐ「おぶせまちじゅう図書館」のまちづくり‐本・学習施設・商店のネットワークによる地域活性化の試み‐(大正大学・小布施町立図書館「まちとしょテラソ」とおぶせまちじゅう図書館活動(長野県小布施町)
・豊島区に愛着を‐講師と受講生の両視点に注目して‐(大正大学・豊島区地域文化創造館)
・高齢者と青少年のコミュニティづくり-地域文化創造館から「都市部の生き方」をみる-(大正大学・豊島区地域文化創造館)
・地域の生涯学習活動から新たな学びをデザインする(大正大学・みらい館大明)
・若者の夢を広げるブックカフェ―コーディネーターの仕事を通じて―(大正大学・みらい館大明)
・すべてのひとが暮らしやすいとしまへ-豊島区立男女平等推進センターの取り組み-(大正大学・豊島区男女平等推進センター(エポック10)
・社会教育施設で“学ぶ”楽しさ広がる“未来”‐「みらい館大明」における異文化理解と子ども体験活動事例から‐(大正大学・みらい館大明)
・地域における健康・スポーツ学習の可能性(大正大学・豊島区スポーツ推進委員協議会他)
・プロジェクト活動を通して問題解決能力の育成を目指すPBL(Project Based Learning)のアクティブ・ラーニング(玉川大学・玉川学園子どもクラブ ころころ児童館)
・協働プロジェクトを通じた学びあい支援にかかわる実践力育成(東京学芸大学・国分寺市もとまち公民館)
・社会教育の現場経験を通じた学びあい支援にかかわる理解醸成(東京学芸大学・小金井市公民館貫井北分館(NPO法人 市民の図書館・公民館こがねい))
・多摩市民館1:地域・社会における子どもや大人の学びを企画・支援する基礎的知識・技術の習得(日本女子大学・川崎市立多摩市民館)
・多摩市民館2:地域・社会における子どもや大人の学びを企画・支援する基礎的知識・技術の習得(日本女子大学・川崎市立多摩市民館)
・多摩市民館3:地域・社会における子どもや大人の学びを企画・支援する基礎的知識・技術の習得(日本女子大学・川崎市立多摩市民館)
・青少年会館:地域・社会における子どもや大人の学びを企画・支援する基礎的知識・技術の習得(日本女子大学・世田谷区立池之上青少年会館)
・女性教育会館:地域・社会における子どもや大人の学びを企画・支援する基礎的知識・技術の習得(日本女子大学・独立行政法人国立女性教育会館)
・青少年自然の家:地域・社会における子どもや大人の学びを企画・支援する基礎的知識・技術の習得(日本女子大学・国立信州高遠青少年自然の家)
・青少年交流の家:地域・社会における子どもや大人の学びを企画・支援する基礎的知識・技術の習得(日本女子大学・国立赤城青少年交流の家)
・社会教育と芸術-音声ガイドを活用したダンスパフォーマンス-(立教大学・公立劇場)
・青少年教育施設における子どもたちの体験活動の支援をとおして、社会教育主事としての資質を身につける(北翔大学・北海道立青少年体験活動支援施設・札幌市青少年山の家)
・子どもの抱える課題解決に向けた小学生向けキャンプの企画・実施(広島女学院大学・国立江田島青少年交流の家)
・こどものまちをつくる(愛知教育大学・名古屋市昭和区から白金児童館に委託)
・自然体験活動の支援を学ぶ 「市民いきいきウォーキング」(愛知教育大学・豊田市青少年センター・豊田市総合野外センター )
・地域の社会教育事業を知る!「こどもわくわく講座」(愛知教育大学・豊田市青少年センター・豊田市若林交流館)
・社会教育活動の現場を体験するとともに、関連職員・スタッフや施設等の役割・意義について実践的に学ぶ(京都女子大学・京都市青少年活動センター、京都市いきいき市民活動センター)
・社会教育主事の仕事の実際を学ぶ(東北福祉大学・国立花山青少年自然の家、国立岩手山青少年交流の家、国立磐梯青少年交流の家、宮城県立蔵王少年自然の家、宮城県立志津川自然の家、宮城県立まつしま自然の家、オーエンス泉ヶ岳自然ふれあい館(仙台市立少年自然の家)、ほか、年によって他県の公立自然の家も利用)
・社会教育主事の仕事の実際を学ぶ(東北福祉大学・宮城県気仙沼市公民館、岩手県北上市生涯学習センター、宮城県名取市生涯学習課、ほか)
・松戸市における生涯学習の諸相-松戸市民サポートセンターでの実習から(大正大学・松戸市民サポートセンター)

4 学校等教育機関

・学校におけるESDを支援するコーディネーション(立教大学・公立小学校)

5 NPO・ボランティア団体

・山村の情報環境と学生参加による地域文化の保全活動と発信を通じた学びの可能性‐小菅村での生涯学習施設実習の経験から‐(大正大学・NPO法人多摩源流こすげ)
・地域の自然と文化を生かした子育て学習‐幼児子ども教室「大地」での実習体験から‐(大正大学・幼児子ども教室 NPO法人大地)
・おやじ達の背中から学んだコミュニティづくり‐退職男性グループ「おやじ連」の活動から‐(大正大学・八幡酒蔵工房、近江八幡おやじ連)
・「室谷ふるさとキャンプ」の試行実践‐青年会・高校生・都市部大学生の協働による新たなムラづくりへの挑戦‐(大正大学・新潟県阿賀町室谷地区・室谷青年会)
・23市民団体:地域・社会における子どもや大人の学びを企画・支援する基礎的知識・技術の習得(日本女子大学・「福島の子どもたちとともに」川崎市民の会)
・学生地域ガイド活動による地域の次世代育成の可能性(大正大学・としま案内人駒込・巣鴨)
・地域活動から地球環境の保全へ‐玉川上水の自然保護活動を通じて‐(大正大学・玉川上水ネット「玉川上水の自然保護を考える会」)
・キャンプリーダー/放課後児童クラブスタッフ(愛知教育大学・信州こども山賊キャンプ/泰阜村学童保育)
・社会教育活動の現場を体験するとともに、関連職員・スタッフや施設等の役割・意義について実践的に学ぶ(京都女子大学・NPO法人子育て支援コミュニティ・おふぃすパワーアップ、NPO法人暮らしデザイン研究所)
・キャンプリーダー(愛知教育大学・信州こども山賊キャンプ( NPO法人グリーンウッド自然体験教育センター(長野県泰阜村))
・地域ガイドによる地域への影響力(大正大学・としま案内人駒込巣鴨)

6 企業・事業体

・地域の魅力発見・発信に寄与する学習活動‐現場の人々と分かち合える学習実践を求めて‐(大正大学・つるおかユースホステル)
・「学び」で繋ぐ秩父‐東京間荒川流域の連携プログラムの検討 自然・文化・歴史に光を当てる上下流域交流の可能性(大正大学・荒川ビジョン推進協議会)

7 その他

上記①~⑥を組み合わせた連携活動等
・こどものまちをつくる(愛知教育大学・安城市から特定非営利活動法人おやこでのびっこ安城への委託)